彼の氏は一年前の同誌において「情報量の多さとSN比の高さで88を上回る」という評価記事を書いています。
見方を変えるとこういう評価になるということなのは、ふえやっこだいさんのご指摘の通りです。
業界人やマニアならば、おおよそわかっていた特色の違いなのですが、視点を変えると評価を逆転出来るのです。これは普通の人から見た印象は良くないですね。
ここで僕が気になったのは、なぜ今ああいう記事を挙げたのかです。
やはり後発製品を持ち上げるもなのでしょうか。
それが、今のこなれた価格にもリンクしているのでしょうかね。
もちろん、価格に関しては文句ありませんが。
表でこう書きました。
ここまで価格がこなれている要因、それには理由があるのかも知れません。
これはこの記事の続きの中で触れます。
これに関しての推察が上に書いたことでした。
1. アナアンとデジアン
これは客観的には誰も否定できないと思います。
ただ、音質という事については、デジタルアンプとアナログアンプの優劣の
比較を単純に行うのは無理があると思います。
パイオニアのデジタルアンプは、改良を重ね確実に進化し、デジタルアンプの
クセを丹念に消して練り上げられていると思います。
しかしデジタルアンプとアナログアンプは、基本的に異なるデバイスなので、
そこには最後に立ちはだかる、越えられない漸近線の壁はあるように思います。
LX89は、むしろハイエンドの領域に入っているので、比較対象はCX-A5100や
AV8802になると思いますが、比較試聴では確実に異なる音が出ていました。
もっとも高価なAV8802の音質は素晴らしく、AVR-X7200WAの力強さを継承し
低音を僅かに締めて、さらにSR7010の美しい中高音を同居させるアナログ技術の
結晶だと思いました。あの厚い音はCX-A5100には出せません。
ただ音場に関しては、AV8802はAVR-X7200WA相当なので、64bit音場補正と
シネマDSPHD3のCX-A5100と比較すると、さすがに広大性と正確性に差が出て
しまいます。
両者と比べ、音質については、ほぼ解消されたとは言え、LX89はデジタルアンプの
音の固さは両アナログアンプに比べて僅かに残っているように思いました。
この音のほぐれ方は人によって重要であったり無視できる要因であったりします。
それが評価の差となり、絶賛する人もいれば、価格.comでLX87やLX88を酷評する
ような人が出てきます。
雑誌ではLX89の音楽の空間表現を絶賛してましたが、鳴っている楽器の前後位置の
空間表現の柔軟性ではアナアンのAV8802やCX-A5100の方が優れていると思います。
基本的にAVR-X7200WAも良い意味でアナログの音だと思います。レコードの音が
好きな人には高級品ですし、ハイレゾの音が好きな人には、MCACC PROの効果も
合わせて、LX89に比べて物足りないと言う人もいるでしょう。
こういった事ですから、評論家によって評価が分かれる事があっても仕方ないと
思います。ただ、同じ評論家で評価の軸がブレるのは好ましくありませんね。
X7200>LX88 LX89>LX88 LX89>>>X7200は、少々無理があると思います。
ソースによって合う合わないもあると思います。紫外線のように体の芯にまで響く
ようなアタックと爆発音が好みならデジアンが良いでしょうし、赤外線のような
感覚はアナアンがあると思います。
映画は約2時間見る事が前提ですし、個人的には疲労感が少ない癒やしのアナアンが
好きですね。オーケストラのほぐれた音が奏でる映画のBGMではα波が出ていそうです。